シロちゃんのホームページ


愛犬シロ



 吾輩は犬である。名前はもう付いている。「シロ」と呼ばれている。 どこで生まれたかは覚えていない。 今の飼い主の家の回りをウロウロしていたら、彼らや近所の人たちが、少しばかりエサをくれたので、しばらくその辺りに住むことにした。そうこうするうちに、突然、吾輩は飼われることになった。  飼い主は、大学の数学の教師とかで、夫婦二人で暮らしていて、子供は無い。二人は不思議なことにお互いを「おじちゃん」「おばちゃん」と呼び合っている。「おじちゃん」の方は吾輩をよくなでてはくれるが、食事をくれたり、散歩につれていってくれるのは「おばちゃん」の方である。この家の者は、子供がいないせいか、動物は可愛がるみたいだ。その証拠に、「おじちゃん」の実家の敦賀へ行くと、そこには、年老いたメス猫がいて、その猫も飼い主夫婦が、以前住んでいた尼崎から、拾って連れてきたらしい。その猫は「キティ」と呼ばれていたが、どうも吾輩は好きになれなかった。過去形で言うのは、その猫も、4年ほど前に死んでしまった。その猫は飼い主の実家に15年ほど住んでいたらしい。  吾輩も、今の家に飼われて、もう、12年になる。もうおばあちゃんである。飼われてすぐ、吾輩は6匹の子供を産んだ。4匹のオス犬と2匹のメス犬である。オス犬はみんな茶色であったのに、なぜか、メス2匹は白かった。吾輩は余り白くないのに、なぜか「シロ」という名前で呼ばれている。メス犬2匹は吾輩よりはずうっと白かった。6匹の子犬もそれぞれ、他の家に飼われていった。そのときは、吾輩は、それまで、うっとうしく感じてはいたが、やはり寂しかった。 その後、もう、わが子3匹はすでに死んでしまったそうだ。ナムアミダブツ・南無阿弥陀仏・・・・。 (つづく)



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